(仮)愛人契約はじめました

「この子、私も誘ってきたんですよ」
と美菜が唯由を指差し、笑っている。

 何故だ、蓮形寺……。

 愛人と王様の

 違った。

 下僕と王様の

 ……それも違うな。

 まあ、なんだかわからないが、お礼のラブラブ旅行ではなかったのか、と蓮太郎は思う。

 なにをどうラブラブしていいのかは未だにわからないのだが。

 このままでは、愛人との旅行じゃなくて、二人きりの社員旅行みたいになってしまいそうだ、と思っていると、唯由が手近にあったセレブな感じの旅行雑誌を手にとった。

「あ、この雑誌に載ってますよ」

 そういえば、見たことのある宿のページを唯由が開いた。

 いつか母親が友人たちと行っていた気がする、とそれを見ながら思ったとき、
「嘘っ」
と叫んで、美菜がその雑誌をもぎとった。