(仮)愛人契約はじめました

「お母さまっ」
と扉を跳ね開ける。

 虹子は月子の部屋のと同じメーカーの、豪華で寝心地のいいベッドに横たわり、雑誌を読んでいた。

「お姉様が道馬さんとっ」

 道馬さん? と訊き返される。

 あっ、しまった、と思ったが、虹子はすでにすべてを察していた。

「そうなの。
 好きな人がいるのね、月子」

 月子は観念し、虹子にすべてを打ち明ける。

 だが、虹子は然程、興味はなさそうだった。

「で?
 その道馬と唯由が同じ職場ならなんなのよ?」

 一応、起き上がってくれながら、虹子は言う。

「だって、お姉様よっ。
 道馬さん、きっと好きになってしまわれるわっ」

「……実はあなたが一番の唯由の信奉者(しんぽうしゃ)じゃないの?」