(仮)愛人契約はじめました




 仕事に戻る前、唯由はおば、保子(やすこ)のところに電話してみた。

 キャンセルが出たら教えて欲しい旨を告げる。

「いいわよ。
 まあ、姪だからって便宜を図ったりはしないから、いつになるかはわからないけど」

 わかってるよー、と唯由が言うと、

「ところで誰と来るの?」
と訊いてくる。

「……えーと。
 会社の人なんだけど。

 お世話になってるんで、そのお礼に」

「わかったわ」
と保子は深く頷く。

「どんな男か私が見極めてあげるわ」

「えーと……。
 会社の人でお世話になってる人だって、今、言ったよね?」

 話が伝わらなかったようだ、と思い、唯由はもう一度同じセリフを繰り返してみた。

 すると、保子は頷き言ってくる。

「わかったわ。
 私がどんな男か見極めてあげるから」

 ……なにも伝わらなかったようだと唯由は思ったが。

 保子は、ただただ勘がいいだけだった。