(仮)愛人契約はじめました

 ……好みのタイプ。

 蓮形寺の好みのタイプとはどんな男だろうか。

 少なくとも、王様ゲームでいきなり下僕になれとか言い出す男ではないような。

 唯由のおかげで、蓮太郎にも少し常識が芽生えはじめていた。

 だが、まるきり常識に寄ってしまうと、そもそも、王様ゲームからはじまり、愛人関係な自分たちの関係がなかったことになってしまう。

 蓮太郎は、心の中にちょっとだけ現れた常識をそっと箱にしまった。

「昼休みも終わりですね。
 じゃあ、もう一度、電話してみます」

「すごいねー、れんれん。
 そこは迷わないんだね~。

 また断られたらどうしようとか思わないんだね~」

 感心したように紗江が言う。

 また断られたら……。

 そういえば、断られたな、さっき。

 みんなが陽気にしゃべってる中だったから気にならなかったが。

 俺は断られるのだろうか……?