(仮)愛人契約はじめました

「極端ですよ、紗江さん~」
と事務員さんたちは笑っている。

 すると、紗江は、
「二人で温泉旅行にでも行けばいいじゃない」
と言ってきた。

「温泉入って、美味しいもの食べて、二人でゴロゴロして。
 二人とも仕事で疲れてるんだし、それでいいでしょ?」

「いやでも、それ蓮形寺へのプレゼントになりますか?」
と蓮太郎は紗江に訊く。

「なんで?」

「だって、それ、俺が嬉しいだけじゃないですか」

 やだもー、蓮くんったらーっ、と事務の女性たちが叫ぶ。

 みんなが、なんでそんなに盛り上がっているのか、いまいちわからなかったが。

 実家にあった、並ばないと買えないスイーツとやらを差し入れたときくらいの悲鳴だった。