(仮)愛人契約はじめました

 カーテンを開けると大王直哉が窓の下に立っていた。

「蓮太郎様は、ついにあなたへの本気の愛を自覚しはじめたようですね」

 ……いや、自覚があるようには見えなかったんですけど。

 完全に表情と内容がズレてましたしね。

 そう思いながらも、唯由は赤くなる。

 口から出た言葉の方が間違いかもしれないよな、とも思ってはいたのだが。

「ですが、困ったことに、月子様との見合い話はまだ継続中なのです」

 えっ? と唯由は声を上げていた。

 なんでだ。
 雪村さんのひいおじいさまのところにもご挨拶に行ったのにっ、と思う唯由に直哉は言う。