(仮)愛人契約はじめました

 赤いクコの実がのった、ほかほかの湯気が上がっている中華粥は、貝柱と鶏ガラがいい感じに効いていて美味しかった。

「うん、美味い」
と言ったが、唯由は、じっとテーブルの上を見つめ、

「小さな土鍋二個、の方がよかったですよね。
 お椀につぐより、そのまま食べた方が、クコの実の位置も動かなくて見た目綺麗だったかも」
と言い出す。

 何処こだわってんだ、と思いながら、蓮太郎は言った。

「いや、少し冷めた方が食べやすいからお椀でいいぞ」

「そうですか、すみません。
 実は土鍋どころか、食器類、まだ一個ずつしか買ってないんですよね~」

 そういえば、れんげもお椀も一個しかないようで、唯由はステンレスのスプーンにご飯茶碗だった。