(仮)愛人契約はじめました




 何度入っても緊張するな、と思いながら、蓮太郎は唯由について部屋に上がった。

 ローテーブルの前にちんまり座る。

 唯由はキッチンに向かいながら、
「大失敗ですよ~」
と眉をひそめていた。

「なにが?
 中華粥がか」

 別に盛大に焦げてようが食べるぞ、と思っていたが、そういうことではないようだった。

「いや~、中華粥、コトコト炊いてたら時間かかるな~と思って」

 お腹空いてるんでしょう? 雪村さん、とキッチンでこちらに背を向けたまま唯由が訊いてくる。

 話してる間に、唯由はだし巻き卵を焼き、ししゃもを焼き、ささっとおかずを作っていた。