(仮)愛人契約はじめました

「え?
 シンプルに中華粥とかかしらね」

「そうですか。
 ありがとうございますっ」
と唯由はスマホを手に頭を下げた。

「いや、ちょっとなんなの、あなたっ。
 いつ帰ってくるのっ?

 あなたがいなくなったせいで、私は外食ばかりよっ」

 いや、呼び戻した腕のいいコックがいるではないですか……。

 だが、相手が誰であれ、その目的がなんであれ。
 必要とされるのは嬉しい。

「……今度、三条になにか届けさせますよ」

 そう言って、唯由はスマホを切った。

 窓の外が明るくなり、チャイムの音が鳴る。

 蓮太郎が自転車の人に連れられ現れた。

「いや、この人、その辺で迷ってたから」

 自転車で車を先導してくれたらしい。