(仮)愛人契約はじめました

「愛……

 愛する人だ」

 『愛人』という言葉を分解してみただけのようだが。

 その意味は濃厚だった。

「そ、そうなんですか」
と自転車の人の方が照れたように答えていた。

「お前のように爽やかで感じのいい奴、また一緒に呑みに行ったら、唯由がお前を好きになってしまうかもしれん」

 何故、そっちを誉め殺しっ、と思ったが、蓮太郎は相変わらず、ただただ見たままの感想を言っているだけのようだった。

「お前、世に言うイケメンとかいう奴だろ。
 駄目に決まってる」

 いや、あなたの方がものすごいイケメンですよっ、と自転車の人と唯由は一緒に驚愕した。

 この人、おのれを知らなさすぎるっ!