(仮)愛人契約はじめました

「あ、……ああ、こんばんは~」

 唯由は名前がわからないことを笑顔でふんわりと誤魔化した。

「こんばんは。
 この間のコンパのとき、途中から合流した人ですよね?」

 自転車の人が蓮太郎に笑顔を向けて、そう言ったので、
「えっ? 覚えてるんですか、すごいっ」
と唯由は驚いたが、彼は苦笑いして言う。

「こんな目立つ人、忘れないよ。

 あの、俺、蓮形寺さんと家近いみたいで、たまに朝会うんですよ。
 今度、またみんなで呑みに行きませんか?」

 そう自転車の人は誘ってくれたのだが、蓮太郎は、
「いや、結構だ」
とすげなく断る。