(仮)愛人契約はじめました

 ……てことは、誰でもよかったんだよね、この人にとっては。

 まあ、愛人になれとか言われて受ける人、そんなにいないかもしれないけど。

「どうした、機嫌が悪いな。
 やっぱり、タクシーで帰った方がよかったか」

「ああ、いえ。
 そうじゃないです。

 いろいろ考えちゃってただけで。

 夜のバス、楽しみですね。
 街中走るのと、また全然景色も雰囲気も違うから」

「来るとき、全然、民家がない山の中をいきなりおじいさんとか歩いてて、この人、何処から来て、何処へ行くんだろうと思ったんだが。

 ああいうおじいさんが夜も歩いてたらホラーだな」
と言う蓮太郎と、全然人の乗っていない、このバスの収支は大丈夫ですか、という意味でホラーなバスに乗り、電車に乗り、いつもの駅に戻った。