(仮)愛人契約はじめました

「ありがとう。
 また来てね。

 唯由をよろしく」
と梢が言うと、蓮太郎は、

「はい。
 大事に扱います」
と私は実験器具か、というようなことを言っていたが、梢たちは笑っていた。

 ライフルじゃなく、巨大な懐中電灯を担いだ練行が、
「夜道は暗いからこれを持っていきなさい」
と言う。

 唯由たちがタクシーではなく、最終のバスで帰ると言ったからだ。

「だ、大丈夫だよ。
 スマホのライトがあるから」
と唯由は重すぎる祖父の愛を断った。

 それ、懐中電灯っていうより、サーチライトっていうか。

 バスに持って乗ろうとしたら、たぶん、バズーカかなにかと間違われて乗車拒否される……と唯由は思っていた。