(仮)愛人契約はじめました

 人付き合いとか得意でなさそうなのにな、と思ったが。

 苦手だからこそ、早く終わらせようとベルトコンベア式に回っているのかもしれないと思った。

 ハウスから事務所に移動して仕事をしていたらしい祖父がスーツ姿で戻ってきた。

「蓮太郎くん、食べているかね」

 いや、忙しくて食べられないみたいですよ……。

「遠慮せずやりなさい。
 みんな、唯由とお付き合いしている雪村蓮太郎くんだ」

 いろんな意味でですが……。

「雪村真伸さんのひ孫だそうだ。
 よろしく頼む」

 なにをよろしく頼まれたんだ、と青ざめながらも、後ろからなにかに撃たれたくない蓮太郎はビール瓶を手にしたまま、

「よろしくお願いいたします」
と頭を下げていた。