何十年ぶりかに城へ入ったけど、最後に城にいた時と変わらなかった。 処刑をするなら地下。 階段を駆け下りると扉の奥からカウントする声が聞こえる。 「5」 「4」 「3」 間に合って……っ! あともう少しの扉に手を伸ばす。 「2」 「1」 走った勢いのまま扉を押し開ける。 「やめなさい!」 間に合った……。 誰にも気づかれないように、小さく息を吸って呼吸を整える。 それから、私と母を追放した゛国王様゛を睨む。