……というか、気にしていた。


「苺みたいな人」の真意は、優大以外に誰も知らない。



だからこそ色んな憶測が飛び交ったわけで。


考えないようにしていても、推しである優大の言葉に、私は引っかかっている。







『社員食堂でお昼を食べてたんだけどね、前のテーブルにいた同僚の女性達がわいわい話してて、聞こえてきちゃうからオレも気になって』




「……そう、なんだ?」

曖昧な返事しか出来なかった。



だって。



私は弘正さんに話していない。






自分が「シー・ファン」であること。


そして、清香ちゃんのこと。




『なんか今日、「苺」って単語をたくさん聞いたから、無性に苺を食べたくなっちゃったよ』


弘正さんは穏やかに笑う。





「……」






『……?どうしたの、司?』




私は心臓がドギマギしてきて、苦しくなってきた。




「ごめんね、明日の朝は少し早起きしなきゃだから、もう寝ようかな」