「違う、そんなんじゃないよ」
慌てて言う。
「そんなんじゃないけど、……でも、もう少しだけ待っててほしいの」
ごめんね、と言いかけてやめた。
謝ってしまうと、ますます弘正さんは不安に感じてしまう気がしたから。
『……分かった、焦らせちゃったね。オレ、待ってるから』
弘正さんは穏やかな口調でそう言ってから、
『でも、なるはやでお願いします』
と笑った。
『そういえばさー』
と、弘正さんが話し始めた。
『会社の同僚の女性が話してたんだけどね、「苺みたいな人」って何だと思う?』
「えっ」
弘正さんの口から、その言葉を聞くとは。
「苺みたいな人」というのは、去年の秋くらいに優大が言った言葉だった。
理想の女性のタイプを聞かれて答えた言葉。
「シー・ファンキーズ」を避けて生活していても、世間でとても騒がれた一件なので、私もその言葉は知っていた。
慌てて言う。
「そんなんじゃないけど、……でも、もう少しだけ待っててほしいの」
ごめんね、と言いかけてやめた。
謝ってしまうと、ますます弘正さんは不安に感じてしまう気がしたから。
『……分かった、焦らせちゃったね。オレ、待ってるから』
弘正さんは穏やかな口調でそう言ってから、
『でも、なるはやでお願いします』
と笑った。
『そういえばさー』
と、弘正さんが話し始めた。
『会社の同僚の女性が話してたんだけどね、「苺みたいな人」って何だと思う?』
「えっ」
弘正さんの口から、その言葉を聞くとは。
「苺みたいな人」というのは、去年の秋くらいに優大が言った言葉だった。
理想の女性のタイプを聞かれて答えた言葉。
「シー・ファンキーズ」を避けて生活していても、世間でとても騒がれた一件なので、私もその言葉は知っていた。