「何!?」


注目されて、私の顔はますます赤くなる。




「確認したいんだけど……、夜景の見える場所とかが良かった?それともキレイな浜辺とか?」



何の話だ?




「……プロポーズしてほしい場所に、夢とか持ってたかな?」



のんびりした調子で、
「いやー、先走ったかも」
と頭を掻く弘正さん。




「どこでもいいよ」


私はそう言って、弘正さんに笑顔を向けた。




「あ、やっと笑った」


安心したような表情の弘正さん。




私はこの表情に、ときめかなかったことなんか無い。







幸せだと思った。





アースカラーでまとめられた丁寧な内装の店内に、ふわふわとピンク色のハートマークが飛んでいる気がする。

もちろん、私と弘正さんの幸せの象徴であるマークだ。




近くを通った女性店員も、ニッコリ微笑んで祝福してくれているように感じてしまう。


深雪(みゆき)ちゃん、ちょっとこっち、手伝ってー」


店長だろうか、50〜60代くらいの男性店員が、女性店員に声をかけた。







店内にいる全員に、私は幸せを叫べる気がする。



「それで?」