「……ごめんね、こんな話して」
私は軽い調子で笑ってみせた。
「透子さんは、輝いています。少なくとも、私にとって大切な友達です。明るくて、楽しくて……、でも同じくらい」
日向はいったん言葉を切って、再び私を見つめる。
「同じくらい、色々と考えちゃうから。それを隠そうとしちゃうから、心配でもあります」
「そう、なのかな?」
なんにも考えてないかも、と笑おうとして、やめた。
そんなことしたら、みじめになる気がしたから。
「……いいよね、優大の恋人」
私は思いを込めて、言った。
「真剣交際って報道されててさ、もうすぐ優大の会見もあるから、結婚するんじゃないかってテレビで言ってた」
「そうですね」
日向はココアの入ったカップを両手で包み込んでいる。
「私、私ね……」



