ロイヤルミルクティーから目を離す。
日向に視線を移すと、日向は悲しそうな顔をしていた。
「一等星になりたいのは、私なんだ」
誰かにとって。
1番輝いている私に、私は会いたい。
「鼻で笑ってたくせにね」
「みんな、そうだと思います。憧れます、一等星の自分」
日向は悲しそうに眉間にしわを寄せている。
今にも泣きだしそうな表情だけど。
きっと泣かないと思う。
涙を流すことで、私に「友情にアツい人」に見られたい……なんて、考えたりしない。
だけど。
私はそういうことを考える人間なんだよ、日向。
ひどいよね?
「なれるかな?一等星」
ロイヤルミルクティーをひと口飲む。
優しい味が私の体に染み込んでいくみたい。
「なれます、絶対に」
そう言って、日向はココアを飲んだ。
思ったより熱かったのか、口にした瞬間、日向の肩が小さく揺れた。
可愛い奴め。