「そんなことないです」


日向は頭を横にブンブン振った。


「……いいよ、日向。本当のことなの。性格が悪いのかもね。私の本心って、本当に最低なことばっかり考えてるんだから」



「違います、透子さん」



「私ね、笑っちゃったの。『シー・ファン』の友達のSNSを見てさ、『「苺」じゃなくて「一等星」になる』って書いてあって……」


「一等星……」



「鼻で笑ったの」



「……」



「そういう、ひどい人間なんだ。優大の熱愛だって、信じたくなくて。なんで、なんで私じゃないの?って、部屋の中で暴れたの。ダサいよね?」




「透子さんは、ダサくなんかない」





「別れ話を切り出されるのが、怖かったの」



枯れた声で、出来るだけ静かに言った。




「鈴井くんに振られて、傷ついた顔をする自分を想像したら、たまらなく怖かった。でもね、自分から振ることにためらいなんか無かった」