「あ……、大丈夫。泣いてないよ」

ニッコリと笑ってみせる。




こういう時。

日向は、何も言わないでいてくれる。




じっと私を見つめて。


私の次の言葉を待ってくれる。








「私、ひどい人間なんだよ」




日向の視線から逃げるように、私は俯いて。


まろやかなロイヤルミルクティーをじっと見つめ返す。




「……好きって、思ってほしかったの。愛してほしかったの」


「はい」


「私、彼氏になってくれた人にさ、本当の意味で好かれたことなんて無いと思うんだ。みんな、着飾ってる私を見て、最初だけ好きって勘違いしちゃうみたい」



「勘違い、ですか?」



「うん。でもさ。私、いつも愛想尽かされるんだよね。どうしていつもそうなんだろうって、相手のことばっかり責めてたけど」


「……」


「私、内面が魅力的じゃないんだってことに、今日気づいた」