愛される私を、世の中の「シー・ファン」は、羨望の眼差しで見る。








『さぁ、衝撃的な事実です!』

テレビの向こう、芸能リポーターが興奮した様子で言ったのが耳に届いて、私もテレビ画面に集中した。






『あの、超人気グループの「シー・ファンキーズ」の優大さんに、なんと、熱愛報道です!!』






……あれ?






あれれ?







まだ、私達、出会ってないけど。










目が丸くなる。



画面には優大の写真が大きく載っている。


『お相手の方は一般女性ということしか分かってないみたいなんですねー!』


は!?




えっ、ちょっと待って!?






私は自分の頬をつねる。



痛い。



夢じゃない。







『深夜に手繋ぎデートをした、なんて週刊誌に載っていますけれど』





手繋ぎデート!?






待って、私、優大と手なんか繋いでない。






これって……。







『真剣交際と記事にはあるんですが、ある情報では近々、優大さんが会見を開くというお話も出ているみたいです。会見を開くっていうことは……』


生唾を飲む。

ごくり、とマンガみたいな音が聞こえた。