苺にはもうなれない


きっと、行かないだろうなぁ。


真っ暗なスマートフォンの画面を見つめて、
「ごめんね」
と呟いた。











夜。


眠れない時間が多くなってきた。


いけないとは知りつつ、スマートフォンを操作してしまう。






高校生の時に同じ「シー・ファン」だった友達のSNSを見つけた。

彼女は確か、地元の大学に通っている。



相変わらず「シー・ファン」であることは変わらないらしい。




『「苺みたいな人」ってどんなの!?』



「苺みたいな人」?





一瞬、考えてしまった。


そうだ。

去年の今頃だったっけ?


ある情報番組のインタビューで、優大が理想の女性のタイプを聞かれて答えたのが、「苺みたいな人」だったっけ。



しばらく騒がれてたよね。

色んな憶測も飛び交って。



結局、本人は説明しなかった。