苺にはもうなれない

帰って行く日向の背中を眺めつつ、私はうっすらと思っていた。



大学にそろそろ行かないとヤバイけど……。



外に出ることすら嫌なんだよね……。















『もしもし、透子ちゃん?』


夕方。


従姉妹の英子(えいこ)ちゃんから電話がかかってきた。


英子ちゃんはまだ中学生。

小さい頃から私に懐いてくれていた。



「どうしたの?」


『透子ちゃん、今度さー、一緒にライブに行かない?パパもママも、誰か大人がいないとダメって言うんだよー!?』


「誰のライブに行きたいの?」


英子ちゃんは、私の知らないグループ名を言った。



「誰?それ」



『知らないのー!?めっちゃカッコイイんだから!!一緒に行ったらハマると思うよ!!ねぇー、行こうよー!!』



『めっちゃカッコイイ』のは、優大ひとりで充分だけど。


そう思いつつ、とりあえず予定を見て後日連絡することに決めた。



でも。