苺にはもうなれない

うっかり本音を話してしまった。



価値とか。



何となく自分の汚れた部分をさらけ出した気持ちになる。




気まずい顔をしていた私に気づいたのか、日向はニッコリ笑った。


「良い人です。大好きな人です」



日向の反応に、私は救われた気持ちになる。










お昼ごはんは日向の作ってくれた、懐かしい味のするナポリタン。



「私、最近バイトを始めて……」


日向はもぐもぐ食べながら、話し始めた。


「バイト?」


「うん、喫茶店です。母の友達のお父さんが経営している喫茶店で、なんていうか、素朴なマスターなんですけど、良い人です」



「へぇー!喫茶店?」


「うん。店名も、『喫茶店 これから』って名前で」



「『これから』!?なんか、可愛い!」


……とか言いつつ、私はふと思っていた。