好きなお仕事をずっと続けてほしい。

いつまでも輝いていてほしい。



そのために。

私が隣に居ちゃいけないんだよ。









「深雪さん」
優大くんが強引に私を抱きしめた。

いつもの優しい、ふんわりした手つきじゃない。


ぎゅうっと強く抱きしめている。



「……離して」
腕の中でジタバタともがく。
でもそんなの、全然意味が無くて。




「オレのことだけ考えて。周りのことなんか全部忘れて、オレのことだけ考えて」

優大くんの声も震えている。



「……優大くん?」




泣いているの?




バッと勢いよく私の体を離して、「ごめん」と言い残し、優大くんは部屋から出て行った。







ひとり、部屋に残された私はキッチンの床にぺたんと座りこんだ。




……なんてことを言ってしまったんだろう?




頭の中で後悔する気持ちが渦を巻いて、どんどん大きくなっていく。