「あー、アレ!」
女子高生達は声を合わせて、
「『苺』発言!」
と言った。
……苺?
そういえば前にもどこかで聞いたことあるかも?
「あれは、謎過ぎたね」
アイスコーヒーの女子高生が腕を組む。
「年明けのライブのMCでも、かなりイジられてたもんね」
「ってか、ライブ行きたーい!周くんに会いたーい!」
「あんた、さっきから周くんばっかじゃん!」
あはははっと笑って、女子高生達はそれぞれ宿題に戻った。
「深雪ちゃーん、悪いんだけど、ここもお願い〜」
幸絵さんに呼ばれて、ハッとした。
いけない、いけない。
今は仕事中だ。
「『苺』発言って何でしょう?」
仕事終わり。
薫おじさんに聞いてみる。
「えっ、知らないの?」
薫おじさんは店の扉に鍵をかけながら、驚いた声を出した。
「武岡さんから聞いてないの?」
「なんにも……」
私は腕を組む。



