苺にはもうなれない

とりあえず、今日は部屋の掃除はしてあるし。



部屋着から適当にオシャレっぽい洋服に着替えておけばいいか。




何か、出すもの……。


ちっとも料理しないで、適当に食べていたから。

私の部屋には日向をおもてなし出来るようなものが何ひとつない。



「どうしよう?」

ジュースの買い置きもないし、コーヒーだってない。


そう思っていたら。



ピンポーン。




インターホンが鳴った。



えっ、もう来たの!?




慌てて玄関のドアを開けると、日向の姿があった。




「おはようございます、透子さん」


「あ、おは、おはよう……」

私をじっと見つめる日向。


「え、何?」



「透子さん、痩せたね」

そう言って、日向はぎゅっと私を抱きしめた。

華奢な、細い腕で。



でも力強く。




「日向?」