苺にはもうなれない

その時、私は笑ってしまった。

「だよねー?うざいよね、ごめんごめん!」


そう言いながら、2度と片付けの話はしないと心に誓っていた。




……いやいやいや。


あんたのだらしなさを棚に上げてんなよ。





今だったら、そう言ってやるのに。








のんびりした顔で写っている「マーチ」と「ポルカ」を見つめたまま、
「いいなぁー、あんた達は」
と呟いた。



優大に可愛がられて。

ごはんを食べさせてもらえて。


頭を撫でてもらえて。


抱きしめてもらえて。




「羨ましい」しか、ない。







こんなに猫ちゃんに嫉妬したのは、人生で初めてだ。











大学に行かなくなって、何日過ぎたのか考えるのも面倒になってきた、ある朝。



スマートフォンが振動した。