土曜日の朝。

私は34歳になった。


……34年前。

まだ暗い朝方で。

外は深い雪の中。


私はこの世に誕生した。




身支度を整えて、朝ごはんも食べた。

今日の「黒猫」には薫おじさんと幸絵さんが入ってくれていて、私は休みだ。


「誕生日くらい休みなさいよ」と、薫おじさんが言ってくれたから。



洗濯物も干したし、部屋の掃除を終えて、暇になる。


「どこかに行こうかな?」
読んでいた小説の続きを買いに行ってもいいなぁ。

久しぶりに動物園にも行こうかな。


そんなふうに考えていたら。



ピロリン。

メッセージが届いた。

優大くんからだ。



『お誕生日おめでとうございます!
今日も良い1日にしてくださいね。
これからもよろしくお願いします』


嬉しい気持ちで読み終わって、すぐに返事を書いた。


『ありがとうございます!
良い1日にします。
優大くんもお仕事、頑張ってください。
こちらこそこれからもよろしくお願いします』


送信して、出かける支度をする。