そんなものなんだよ、鈴井くん。



きみの気持ちなんて。


















優大のSNSが更新されるたびに、私の心は踊った。



猫が好きな優大は、飼い猫の「マーチ」と「ポルカ」の写真をよく載せている。


可愛い猫ちゃんを眺めては、その後ろにうつる優大の部屋を想像した。



オシャレな間接照明。



質の良さそうなソファー。




清潔感のある、白い壁。





自分がそこに行けるわけではないと、重々承知している。



でも。



夢くらい見ても、バチは当たらないはずだ。







鈴井くんの部屋は汚かった。




脱ぎっぱなしの洋服が散乱していて。

一体いつ食べたんだ?と想像するのも嫌になる、汚れた食器。



なんとも言えない匂いのする部屋。




いつだったか、
「片付け、苦手なの?」
と聞いたら、
「透子って、母親面したいタイプ?そういうの、うざいから」
と言われた。