優大の推しでいる限り。
「シー・ファン」である限り。
優大に、ファンとして愛してもらえる。
「……いいじゃん、それ」
他の誰でもない。
優大に。
愛してもらえる。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
欲しかった愛を、私は手に入れられるんだ。
しかも推しからの。
鈴井くんなんて、優大に比べたらなんてことないじゃない。
こんなに歌も上手くないし。
こんなにイケメンでもないし。
脚の長さだって、全然違う。
考えていることだって、きっと違う。
そうだよ。
なんてことない。
充電が済んだスマートフォンの画面には、思ったより通知が少なかった。
「フンッ、そんなものだよね」
鼻で笑う。