ショッピングモールの駐車場。

「今日はありがとうございました」
私は薫おじさん夫婦に頭を下げる。


「いいのよ、楽しかったわー!」
冴子さんが車の前に立ち、あはははっと豪快に笑う。

「可愛い服が買えて良かったじゃない。奥さんに感謝だねー」
薫おじさんも笑ってくれる。


「デート、成功させなさいよ!深雪ちゃん、応援してるからね」
冴子さんがそう言って、私の肩をポンポンする。


「そうそう、武岡さんとのデートなんだから、気合入れないと」
ニカッと笑う薫おじさん。



……えっ?




「武岡さんって……」

私、話してないのに!

知ってたの!?




薫おじさんは慌てて、
「いやいや、普通に気づくから」
と言った。



私の顔が赤くなっていく。





「もー、ウブねー!こんな33歳、いる!?世の中を探しても深雪ちゃんだけよ!!ピュアねー!!」
冴子さんがケラケラ笑う。