私は頭を抱えた。


私のオシャレな友達、というポジションにいるのは、今のところ武岡さんだけだ。


というか、友達という間柄にいてくれるのは、武岡さんだけだ。


「……友達が、いません!」

私の告白に、
『いないの!?』
と薫おじさんは仰天した。


「だって、友達かな?って思っていた人は年齢を重ねるごとに自然消滅になっちゃって」


『……』


「だから、私にとって洋服を貸してもらえそうな人は、薫おじさんオンリーなんです」


『……』

「……ダメ、ですか?」


薫おじさんは小さくため息をついた。


それから、
『分かった』
と呟き、
『タイミング良く明日は定休日だから、買い物に行こう』
と、提案してくれた。


「えっ、いいんですか!?」



『おじさんは姪っ子のために頑張りますよ。でもオレだけじゃ不安だから、奥さんにも来てもらおう。いいね?』


「はい!」