しばらくして。
武岡さんのスマートフォンが鳴った。
画面を見て武岡さんが立ち上がる。
「すみません、お会計をお願いします」
「あれー?もう行っちゃうの?」
田谷さんが名残惜しそう。
「仕事で。ちょっと呼ばれました」
武岡さんはそれだけ説明して、レジまで移動する。
私がレジ打ちを担当した。
「美味しかったです、ごちそうさまでした」
武岡さんがいつものように言ってくれる。
「お仕事、頑張ってくださいね」
と、私も返した。
その時、武岡さんが言った。
「クリスマスイヴの予定、空いてるんですか?」
「えっ?はい。予定は何もないです」
きょとんとしてしまった。
武岡さんはニッコリ笑って、
「じゃあ、ご一緒しませんか?」
と言う。
……えっ!?
それって……?
「いいんですか?私なんかとクリスマスを過ごして……」
「小森さんと過ごしたいです」
私の顔が赤くなっていく。
どうしよう、嬉しい!!!
「あの、あの、ぜ、是非……」
私がそう言うと、
「じゃあ、決まり。また連絡しますね」
と、武岡さんはお店から出て行った。
……これって、もしかして……。
デート!?



