「……どう過ごすんですか?」
武岡さんまで聞いてきた。



「えっ?うーん……、どうしましょう?」

私はまた腕を組んで悩む。


「そういえば毎年、コンビニでケーキ買ってます!それ食べて、レンタルショップで借りてきた映画を観てますね」


「それだけ!?」
田谷さんの声が裏返る。

「若い人なんだから、もっとこう、何かあるでしょう!?デートするとか、デートするとか、あと、デートするとか!」

「田谷さん、デートばっかり」
私はあはははっと笑う。


「深雪ちゃん、笑いごとじゃないよ!おじさん、心配だなぁ。ねぇっ!?店長!!」


話を振られた薫おじさんは、
「うーん、まぁ、深雪ちゃんだなぁって感じはするよね。ケーキと映画で終わるクリスマスって」
と笑った。



「何を悠長な!武岡さんは?充実したクリスマスを過ごしていますよね!?」
何故か田谷さんは必死だ。