私もつられて笑ってしまう。
「あはははっ!」





ひとしきり笑ったあと、
「家に帰りますか?」
と武岡さんが聞いてきた。

「はい。ごはんも食べないと」
スッキリした気持ちで答える。


「じゃあ、送ります。もう遅いし」


えっ!

「大丈夫ですよ、帰れます」

武岡さんにそこまで甘えるわけにはいかない。


でも、もう少し一緒にいたい。

それも本音なわけで。



「うーん、でも夜道に女の子をひとりで帰すと心配になるので。オレのために、送らせてください」


武岡さんはそう言って歩き出した。


『オレのために』って……。
私が甘えやすいように気遣ってくれたんだ。

そう思うと、胸の中がキュンとした。






公園を出て。


私達は並んで歩いている。

夜の街。


「ランニングしてたんですか?」
私は武岡さんに話しかけた。