「あの、あの、あの……」
慌ててしまって、同じ言葉を続けて言ってしまう。
「慌てない。『あの』は1回でいいから。……ってか、要らないから!」
薫おじさんがそう言って苦笑いした。
「私は思うんですけど」
ひゃー、なんか注目されてるし!
「キャップさん」まで顔を上げてこっちを見ている。
緊張しつつ、私は続けた。
「『キャップさん』は『キャップさん』で。芸能人に似ていようがいまいが、『キャップさん』なんです……」
言いたいことがまとまらなかった。
そして中身も無い内容だった。
みんなの、何が言いたいんだ?という表情が、つらい。
「……ということで、私からは以上とさせていただきます」
早口でそう言って、何故か頭を下げた。
「……『キャップさん』?」
田谷さんが「キャップさん」を見つめて、確認するように呟く。
……ハッ!!



