「私、私は?」
涙の粒がどんどんこぼれていく。
優大は黙って、私をじっと見ている。
「……私は、優大の『苺』には、もうなれへんの?」
涙声が、静かな部屋に響いた。
こんな自分、優大に見られたくなくて。
私は両手で顔を覆った。
その時。
頭のてっぺんにふんわりと温もりを感じた。
優大が私の頭を撫でているんだ、と気づく。
大好きな気持ちが、もっともっと膨らんでいく。
「優大」
「ん?」
「優大!」
意味も無く、名前を呼んだ。
優大は、
「うん。ここにいるで」
と、返事をしてくれる。
……じゃあ、ずっとここにいてよ。
このままそばにいてよ。
私のそばで、『苺』のことなんか忘れて。
私だけ見てよ。
そんなことを思いながら、私はしゃくり上げて泣いた。
優大は、ずっと頭を撫でてくれていた。



