苺にはもうなれない




「……あの、あの……あっ!」


無理!

そう思って目を泳がせていると、優大のしているアクセサリーが目に入ってきた。


そういえば私、優大に見せたくてネックレスをして帰ってたんだった。


「あの、優大、そのネックレスって新しいやつ?」
無理矢理、違う話をふる。




優大の首元にキラッと輝くチェーン。

きっと新しく買ったものだ。




アクセサリーが好きな優大。

今までも優大が新しいものを付けていると、私は必ず褒めてきた。



そうすると嬉しそうにしてくれるから。





「あぁ、これ」
ネックレスを服の上から触っただけで、優大は珍しくそれを私に見せようとしなかった。

実は私も……と、誕生日に買ったネックレスの話をするつもりだったけれど、やめた。

「何?どうしたん?」
優大の反応に、私は違和感を感じたから。


優大は少し考えてから、
「……真希に話したいことがあって。もうちょっとしたら、オレの報道が流れると思うねん」
と、話し始めた。


何の話?

ネックレスと関係があるのかな?


私が頭の中で優大の言葉を考えていると。



優大はゆっくりと静かに、こう言った。





「オレ、結婚するわ」









……ん?



ケッコンスルワ?







「え?」
頭の中がこんがらがる。



結婚?

誰と?



私と?








……なんて、呑気に考えていたら。