「優大、聞いてよ。ウチに猫がいたわ」

「あ、そうなん?」
猫が好きな優大は、少しだけ顔を輝かせた。


「お母さん、メロメロになってたわ。ブチ猫の、タマちゃんやって」


「まぁ、メロメロになるんは仕方ないって」


「そうやな。優大のSNSも、マーチとポルカにメロメロやもんな」
私はニヤニヤした。

「マーチ」と「ポルカ」は、優大が飼っている猫で。

かなり溺愛されている……らしい。


私は会ったことがないけれど。

というか、そもそも東京の優大の家に行ったことがない。


住所も知らないし。



「マーチもポルカも可愛いで」
優大が珍しくデレた。


……いいなぁー!



心の底から、猫に嫉妬してしまった。



「あ、でも。大丈夫なん?今って猫、どうしてるの?」