「美波が結婚したのって、いつだっけ?」


「2年前」


「いいなぁ。私も結婚したーい!」
信号が青く光った。


私達は再び歩き出す。


「そうだね、頑張りな!結婚式には呼んでね!」

美波が冗談っぽく言う。


「その時にはお腹の赤ちゃんも産まれてるね」
私は美波のお腹を見つめる。



「そうだねー、もう時期会えるからねー」

お腹の赤ちゃんに向かってそう言った美波の顔は、もうお母さんの顔に見えた。


「美波が産休にはいったら、ランチの時間が淋しいなぁ」


「明菜ちゃんがいるじゃない」

美波はそう言って、大笑いした。








明日には地元に帰る。

夜、ひとり暮らしのマンションの部屋。

荷物を詰めながら、ひとりで考えている。


告白のことを。




告白。

今まで考えなかったわけじゃない。

でも優大は、仕事に夢中だったし。

その仕事の邪魔をすることだけは避けたかったし。





今は……?


同じタイミングで地元に帰ろうなんて、何かあるに違いない。

しかも向こうから「会おう」って言ってきた。