スマートフォンの連絡先だって知ってる。
優大が地元に帰省した時、会ったりもしている。
優大の両親とだって、私、仲良いもん。
そんなふうに考えていたら。
「でもさー、おじさんでもいいから、優大と付き合いたいよねー」
と、女子高生が言った。
「分かるー、付き合いたーい。なんかさー、夜景のキレイなレストランとかでご飯食べてそうじゃない?」
「波の音が聞こえる別荘とか持ってそう」
「優大、いいわ!最高だわ!想像するだけで楽しいわー!」
女子高生達は、ゲラゲラ笑っていた。
カフェを出て。
私は予約しておいた商品を取りに、アクセサリーショップへ向かった。
この間の水曜日、私は32歳になった。
自分へのお祝いに、ちょっと奮発してネックレスを買った。
優大がお気に入りの、アクセサリーショップのもの。
上品で、シンプルなのに存在感があるアクセサリー。
……そんな気がする。