「でもさー、優大って何歳だっけ?」

「えー?なんか30歳は超えてた気がするー」

「マジ!?カッコイイけど、おじさんじゃん!!」



女子高生達の辛辣(しんらつ)な言葉を聞いて、私は今度こそココアラテを吹き出すかと思った。



……優大、あんた。

おじさんって言われたよ、今。




スマートフォンを取り出して、メッセージで送ってやろうかと思った。


だけど、やめた。



久しぶりにする幼馴染みへの連絡が、おじさん話になるのは、私としても不本意だ。




東京に、優大のいるこの街に来て、もうすぐ10年。


私はまだ、優大にとって。


地元の幼馴染みというポジションなんだろうか。






ううん、きっと違う。


ここはポジティブにいこう。


優大に私以外の女友達なんて、いない。

気の許せる女の子は、私以外にいない。


きっと。