もしも話で優大を取り合ったこと、覚えてる?

決着は着かないままだけど、私、まだまだ負けないからね。



でも、そんな優大よりも、司ちゃんにとって素敵な人と出会えて、良かったね。



タイムカプセルの約束、守ってくれてありがとう。

信じてたよ。



いつまでもお幸せにね!

        清香より』




涙が次々と頬を伝う。


……決めていたんだ?

この世界とお別れするって。


この手紙を書いた時には、もう……。




そう思ったら、悲しくて悲しくて。

涙が止まらなかった。



ふと、便箋の下のほうに、追伸が書いてあることに気づいた。



『追伸

私の運命の恋は、ずっとずっと優大だけです』





「あはっ、清香ちゃんらしい」

私は手紙に向かって呟いた。





そして、ふと、あることに思い至った。





清香ちゃんが優大に遺したのは、遺書じゃないのかもしれない。




そうか。


あれは、ラブレターだったんだ。