変な意味じゃない変な意味じゃないと呪文を唱えながら叫んだ私。

ほんのり朱の差す蓮の顔をみて,私はもしかしたらすごく恥ずかしいことを言ってしまったのではと気付いた。



「いや,あの,うん。蓮の事も好きだよ? うん。沙羅ちゃんと一緒で!」

「うん。分かってるよ? 沙羅と一緒で……ね?」



確かにそこを強調したのは私だけれど!

いつもの調子に戻った蓮はやっぱりいじわるだ。

でも,色づいたままの蓮の頬をみて,私は伝染するように赤くなることしか出来ない。



「そろそろ帰ろっか」



蓮はそう言って,私の手を握って歩き出す。

蓮の好きな動物はキリン。

蓮の誕生日はピカソと一緒で10月25日。

蓮の事をまた少し知れて,喜びを噛み締めながら歩く。

やっぱりデートって特別な物だな。

蓮の横顔をみて,そう思った。