自分が警察官の制服を着ている姿を想像して気持ちが高揚してくるのを感じた。


私の本当の夢は警察官だったのかも。


そんな風に感じ始めたとき、老婆が大きなバッグの中から瓶を取り出してミハルに握らせた。


「優しくいお嬢さんにキャンディーをあげる」


「キャンディー?」


手のひらに収まるくらいのサイズの瓶の中には、色とりどりの丸いキャンディーが入っている。


太陽にかざしてみるとキラキラと輝いてとても綺麗だ。


「でも、これはおばあちゃんのオヤツでしょう? 私が取っちゃ悪いです」


「いいのいいの。このキャンディーもお嬢さんに食べられたがっているみたいだか
らねぇ」


老婆の言葉にミハルはマジマジとキャンディーを見つめた。


キャンディーが私に食べられたがっているって、一体どういう意味だろう?


「いいかい? このキャンディーは眠る前にひとつだけ食べるんだ。そうすると、自分の夢が現実になったときの夢を見ることができる。不思議なキャンディーなん
だよ」


「自分の夢が現実に!?」


「あぁ。ただし夢の中の話だよ? 夢のを叶えた自分の姿を夢の中で見ることができる。そういうキャンディーさ」


素敵!