「みんな……」


人間接着剤の力を借りてみんなの心を動かした。


そんな自分にこんなに優しい言葉をかけてくれるなんて思ってもいなかった。


胸の奥がジワリと暖かくなり、それが涙腺を刺激した。


涙の膜のせいで視界が滲んでみんなの顔が歪んでみえる。


「なに泣いてんの。変な子」


トオコのぶっきらぼうでも優しい声が聞こえてくる。


「トオコが美味しいチョコレート持ってきてくれてるよ」


「それを食べたらきっと元気になるって!」


ハルナとカナがセイコの背中を痛いほど叩いて元気づける。


「みんな……ごめんね。ありがとう」


泣き笑いの顔を浮かべて、セイコはそう言ったのだった。