セイコの生活は元通りになっていた。


一人で学校へ行き、一人で休憩時間を過ごし、一人で帰る。


本当に元の生活に戻っただけだった。


「それでね昨日ね」


教室内にはトオコたちの楽しそうな話声がしている。


だけどそちらを振り向くことはない。


見てしまうと胸が潰れるような感情に襲われてしまうからだ。


今のセイコはできるだけ大人しくして、気配を消すようにして過ごしている。


1度知ってしまった友人のいる生活はとてもにぎやかで華やかで、とても自分にはふさわしくないものだと、思い込むことにした。


だからいいんだ。


このままでいいんだと。